日証協について
「通貨選択型の投資信託」とは?
1.「通貨選択型の投資信託」の特徴について

- 通貨選択型の投資信託は、株式や債券などといった投資対象資産に加えて、為替取引の対象となる円以外の通貨も選択することができるよう設計された投資信託です。
- 通貨選択型の投資信託の収益源としては、以下の3つの要素が挙げられます。なお、これらの収益源に相応してリスクが内在していることについて注意が必要です。
- ①投資対象資産による収益(上図A部分)
- 投資対象資産が値上がりした場合や利子・配当が支払われた場合には、収益を得ることができます。
- 逆に、投資対象資産が値下がりした場合には、期待した収益が得られず、基準価額の下落要因となります。
- ②為替取引によるプレミアム(金利差相当分の収益)(上図B部分)
- 「選択した通貨」(コース)の短期金利が、投資信託の「投資対象資産の通貨」の短期金利よりも高い場合は、その金利差による「為替取引によるプレミアム(金利差相当分の収益)」が期待できます。
- 逆に、選択した通貨(コース)の短期金利のほうが低い場合には、「為替取引によるコスト(金利差相当分の費用)」が生じます。
- なお、「選択した通貨」と「投資対象資産の通貨」が同一通貨の場合、為替取引によるプレミアム(金利差相当分の収益)や為替取引によるコスト(金利差相当分の費用)は発生しません。
※新興国通貨の場合などは、金利差がそのまま反映されない場合があります。
- ③為替変動による収益(上図C部分)
- 上図B部分とは異なり、上図C部分については為替取引を行っていないため、「選択した通貨」(円を除く)の円に対する為替変動の影響を受けることとなります。
- 選択した通貨(円を除く)の対円レートが上昇(円安)した場合は為替差益を得ることができます。
- 逆に、「選択した通貨」の対円レートが下落(円高)した場合は為替差損が発生します。
- ①投資対象資産による収益(上図A部分)
- 通貨選択型の投資信託が実質的に投資を行う「ハイ・イールド債」や「新興国債券」(債券の詳細については「2.主な投資対象資産」をご参照)については、格付の高い債券に比べて相対的に利回りが高い一方、価格が大きく変動する可能性(価格変動リスク)や組入債券の元利金の支払遅延及び債務不履行(信用リスク)などが生じる可能性が高いといえます。
- なお、これまで説明しました内容についてまとめますと、以下のようになります。

2.主な投資対象資産について
- ハイ・イールド債
- ハイ・イールド債(High Yield Bond)とは、一般的に高利回りの債券を指します。なお、ハイ・イールド債は格付の低い債券で、BB格相当以下の格付(投機的格付)が付与されている場合が多く、信用リスクが相対的に高いという面があります。
- 新興国債券
- 新興国債券とは、いわゆる新興国の政府及び政府機関等の発行する債券を指します。一般的に、新興国の金利は高い経済成長率等を背景として高水準であり、それに伴って新興国債券の利回りについても高く設定されています。一方で、先進国と比べて経済状況が脆弱であること等から、新興国債券の信用リスクは相対的に高くなっていることや、市場規模が小さいため流動性が低くなっていることがあります。